八枚の花弁に囲まれたルルドの聖母 直径 20.1 mm


突出部分を除く直径 20.1 mm


フランス  二十世紀中頃



 表(おもて)面にルルドの聖母の横顔、裏面にルルドにおける聖母出現の場面を刻んだ円形のメダイ。

 表(おもて)面において、歳若き聖母は瞑目して物思いに耽っています。その様子はあたかも天使ガブリエルに告げられた受胎告知の言葉を想起し、神に与えられた大きな勤めについて想いを巡らせているかのようです。

 聖母の横顔は八枚の花弁に囲まれています。キリスト教において、「八」は山上の垂訓(マタイによる福音書 5~7章)に述べられた八つの幸福を表すとともに、天地創造に要した日数すなわち完全数「七」の次の数であるゆえに、物事の新たな始まり、新生、生まれ変わり、新しい命の象徴ともされています。したがってマリアの横顔を八枚の花弁で囲んだこのメダイのデザインは、受胎告知の際に「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」と答えて全てを神に委ねたマリアの幸福な信仰を表すとともに、マリアから産まれ来るイエズスを通して人間に与えられる新しい命、神との新しい関係をも象徴しています。





 裏面にはマサビエルの岩場におけるルルドの聖母出現の様子が浮き彫りにされています。聖母はロザリオを腕に掛けて素足でいばらの繁みに立ち、ベルナデットの質問に答えて「わたしは無原罪の御宿りです」 (Je suis l'Immaculee Conception.) と答えています。ヴェールを被ったベルナデットは岩場の前に跪(ひざまず)き、両手を合わせて聖母を仰いでいます。

 本品は数十年前に制作された古い物ですが、表裏とも良好な保存状態です。表(おもて)面の聖母の表情は深い精神性を感じさせますし、裏面の彫刻は一本の草、一輪の野薔薇にいたるまで克明に表現した作品となっています。





本体価格 9,500円 販売終了 SOLD

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