版画印刷工房ブマール・エ・フィス (Boumard et Fils, Editeurs Pontificaux,) による作品。ブマール・エ・フィスは、カニヴェの時代であった 1873年にシャルル・ルタイユ (Charles Letaille, Paris) を引き継ぎ、美しい小聖画を送り出し続けたパリの老舗です。本品はブマール・エ・フィス最後期の作例ですが、老舗ならではの高品質エリオグラヴュールが他社のオフセット印刷に一線を画しています。
聖画の表(おもて)面では、金の聖杯から生命の水を飲む白鳩が描かれています。本品の絵ではイエズスの血が生命の水となっていますが、これは「ヨハネによる福音書」6章54節に記録されたイエズス自身の言葉によります。
Celui qui mange ma chair et boit mon sangue a la vie eternelle, et je
le ressusciterai au dernier jour.
わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、永遠の命を得、わたしはその人を終わりの日に復活させる。(新共同訳)
聖画の上部には次の言葉が書かれています。
Seigneur, Vous nous avez nourris d'un aliment céleste. 主よ、あなたは天上の食物で我らを養い給いました。
なお水盤や聖杯の縁に留まった鳥が生命の水を飲むモティーフは、古代以来頻繁に用いられる図像です。類似の作例を見るには、鳩に関するレファレンスページをご覧ください。
聖画の左下にブマール・エ・フィスのマークがあり、「パリ、ブマール・エ・フィス フランスで印刷」」(Boumard Fils, Paris,
imprimé en France) と書かれています。
聖画の裏面には「コミュニオン・ソラネル」(la Communion Solennelle)、「バジリク・サン=ラザール」(Basilique Saint-Lazare)、「リセ・ボナパルト」(Lycée
Bonaparte)、「オータン、1961年4月30日」(Autun, 30 avril 1961) の文字と、「ジャクリーヌ・ベルナール」(Jacqueline
Bernard) という少女の名前が書かれています。本品はオータンに住む少女ジャクリーヌ・ベルナールが 1961年4月30日に「コミュニオン・ソラネル」を行った記念の聖画であることがわかります。
なおオータンに聖ラザロの聖遺物(遺体)があるとされたのは、ベタニアの一族(マルタとマリア、ラザロ、執事マクシマン)、マグダラのマリア、マリア・ヤコベとマリア・サロメたちがカマルグに漂着したという伝説から発展した伝承です。一般大衆にとって聖遺物巡礼が信仰のすべてであった中世において、マグダラのマリアたちの荒唐無稽な渡海伝説はどんどんと枝葉が付いて発展し、オータン、タラスコン、カマルグ、サント=ボームに文化的な実りをもたらしました。
下記の価格には、小聖画だけでなく、商品写真に写っている額、マット、ベルベット、工賃、税も含みます。商品写真に写っている額が在庫していない場合、同じ価格の他の額をご用意いたします。また商品写真とは異なるデザインや色の額をご希望の場合、同じ価格の他の額をご用意いたしますので、お気軽にご相談くださいませ。
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