ポンペイの至聖なるロザリオの聖母 十五連のアンティーク・ロザリオ 全長 960 mm イタリア 1910 - 20年代頃


ロザリオを吊り下げたときのセンター・メダルまでの長さ 84 cm

ロザリオを吊り下げたときの全体の長さ 96 cm


クルシフィクスのサイズ 30.4 x 18.6 mm (上部の環を含む)



 十五連のロザリオ。いま手に入るカトリックの数珠はすべて五連のものですが、本来の「ロザリオ」(rosario)は、本品のような十五連のものを指します。





 五連のロザリオは少ししか作られていません。また近年になって「ロザリオの玄義」が従来の三つから四つに増やされましたが、十五連のロザリオは玄義が三つであった時代のものであるゆえに、このタイプの数珠が今後作られることはありません。このような事情ゆえに、十五連のロザリオは現在ではほとんど手に入らない稀少品となっています。





 本品のクルシフィクスには、アカンサス文のある十字架にコルプス(キリスト像)を打ち出しています。アカンサス文は古典古代以来装飾に多用された文様ですが、キリスト教の象徴体系においては、棘がある各種植物と同様に、「罪」と「罪の呪い」(神から離れた結果としてもたらされる不幸)を表します。したがって十字架にあしらわれたアカンサスは、キリストの受難が人間の罪ゆえであることを表します。

 センター・メダルはアール・デコ様式のシルエットを有し、ポンペイ(イタリア)にあるロザリオの聖母のバシリカに安置される奇跡の聖画が刻まれています。ロザリオを授ける聖母子の足下には、向かって右側にシエナの聖カタリナ、左側に聖ドミニコが跪いています。浮き彫りの下部に、イタリア語で「ポンペイの聖母」(Beata Vergine di Pompei)と刻まれています。





 上の写真に写っている定規のひと目盛りは、一ミリメートルです。聖母子の聖人たちのそれぞれは幅ニミリメートル、高さ三ミリメートルほどの極小サイズですが、身体各部の比例が正しいだけでなく、顔の向きも分かります。衣文(衣の襞)も巧みに表現されています。





 センター・メダルのもう一方の面には、聖心のイエスが刻まれています。伝統的意匠に拠って二十世紀半ば以降に制作された信心具のメダイユ彫刻は粗削りで、とりわけイタリアのメダイにその傾向が顕著です。しかしながら二十世紀の早い時期に制作された本品は、メダイユの浮彫がたいへん丁寧に制作され、美術的価値の高い作品となっています。





 上の写真に写っている定規のひと目盛りは、一ミリメートルです。極めて小さなスペースの彫られた細密彫刻に関わらず、イエスの横顔は活き活きとした表情を湛えています。髪の流れや聖心から放射する愛の光等の細部も、まったく手を抜いていません。





 長い歳月に亙って使われたロザリオは、部分的に補修されていることがよくあります。本品も一部のビーズが交換されています。補修されて使い続けられるのは真正のアンティーク品の証しであり、アンティーク品固有の魅力でもあります。

 上の写真は本品を男性店主の手に載せて撮影しています。女性が本品をご覧になれば、写真で見るよりも一回り大きなサイズに感じられます。





本体価格 35,000円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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