稀少品 竜を倒す大天使ミカエル シャプレ・アンジェリーク モン=サン=ミシェル修道院 全長 26 cm フランス 1900 - 1920年代頃


突出部分を含むメダイのサイズ 縦 16.8 x 横 13.6ミリメートル

シャプレの全長 26センチメートル


大きいビーズの直径 5ミリメートル強  小さいビーズの直径 4ミリメートル弱


フランス  1900 - 1920年代頃



 大天使ミカエルに執り成しを求めるときに用いられるシャプレ(数珠、ロザリオ)。「聖ミカエルのシャプレ」または「天使のシャプレ」と呼ばれる九連のシャプレで、ポルトガルのカルメル会修道女、アントニア・ダストナコ (Antónia d'Astónaco) が大天使ミカエルから受けた啓示に基づくものとされています。





 本品の珠は直径四ないし五ミリメートル前後のオールド・プラスティックス製で、色は焦げ茶色です。ビーズには大小二つのサイズがあります。一見したところどれも同じ形をしているように見えますが、よく見ると一つとして同じものが無く、サイズと形状にばらつきがあります。オールド・プラスティックスの同定を試みましたが、種類はわかりませんでした。本品のビーズは熱を加えてもフェノール臭や樟脳臭を発しません。フェノールは試薬でも検出されませんでした。ホット・ピン・テストでも特段の臭気を感じないので、ガラリスやボワ・デュルシではありません。色はエボナイトに似ますが、エボナイトよりも艶があります。条痕は茶色でした。

 チェーンに切れかかった部分、摩耗して細くなった部分等は無く、充分に実用可能です。チェーンにはもともと銀色のめっきが掛けられていましたが、年月が経つうちにめっきが剝がれ、温かみがある真鍮またはブロンズの色が露出しています。この色と温かな雰囲気は、真正のアンティーク品である本品が歳月をかけて獲得した古色であり、レプリカ(複製品)にはない趣(おもむき)です。





 メダイは銀色で、直径 13.6ミリメートルと小ぶりのサイズです。メダイの表(おもて)には竜と戦うミカエルが浮き彫りにされています。ミカエルは波打つ刃が特徴的な大天使の剣を振り上げ、竜の姿を取ったサタンに止(とど)めを刺そうとしています。仰向けに倒された竜は頸を持ち上げ、必死で抵抗していますが、大天使に腹を踏みつけられて動くことができず、最後の一撃を待つばかりです。

 ミカエルの足元には雲が表され、天使とサタンの戦いが地上ではない別のところで行われていることが分かります。しかしながらミカエルの右側(向かって左側)には、上部がオジーヴ穹窿となったゴシック様式の列柱が見えます。ミカエルの左方遠景(向かって右側の遠景)にはノルマンディーの聖地モン=サン=ミシェルが見えており、ゴシックの列柱がモン=サン=ミシェル修道院の内部を描いていることが分かります。





 メダイの裏面には、小高い岩山にそびえるモン=サン=ミシェル修道院が浮き彫りにされています。

 モン=サン=ミシェル(仏 le Mont-Saint-Michel)とはフランス語で「聖ミカエルの山」という意味です。古来ヨーロッパでは、山は大天使が降り立つところと考えられました。このためミカエルの聖地は、たいていの場合、山にあります。モン=サン=ミシェルは高い山ではありませんが、コーンウォールのセイント・マイケルズ・マウント(英 St Michael's Mount)と同様に、海面から突き出た岩山です。ノルマンディーのモン=サン=ミシェルと、コーンウォールのセイント・マイケルズ・マウントは、いずれもミカエルの聖地であり、修道院が造られています。





 本品はおよそ百年前のフランスで制作されたアンティーク品です。「聖ミカエルのシャプレ」は珍しい信心具ですが、本品はそのなかでも年代が古く、手に入りにくい貴重な品物です。保存状態は良好で、特筆すべき問題は何もありません。不揃いのオールド・プラスティック製ビーズが、信心具職人あるいは修道士による手作りの表情をとどめています。





本体価格 21,000円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




大天使ミカエルのシャプレ 商品種別表示インデックスに戻る

天使と諸聖人のシャプレ 一覧表示インデックスに戻る


天使と諸聖人のシャプレ 商品種別表示インデックスに移動する

ロザリオとシャプレ 商品種別表示インデックスに移動する


キリスト教関連品 商品種別表示インデックスに移動する



アンティークアナスタシア ウェブサイトのトップページに移動する




Ἀναστασία ἡ Οὐτοπία τῶν αἰλούρων ANASTASIA KOBENSIS, ANTIQUARUM RERUM LOCUS NON INVENIENDUS