ルルドの聖母のミニアチュールを描いた直径 13ミリメートルあまりの円形メダイを、透かし細工のブロンズ製外枠に嵌め込んだ美麗なアンティーク品。
中央のメダイは表(おもて)面にルルドの聖母の横顔、裏面に聖母出現の場面を浮き彫りにしています。表(おもて)面は肌色、栗色、黒、赤を用いた多色のミニアチュールでルルドの聖母の端正な横顔を手描きし、青色透明ガラスのエマイユを掛けた稀少な聖品となっています。青色エマイユの部分も二つの階調で表現され、あたかも聖母の横顔が恩寵の光に浮かび上がるかのようです。
裏面にも青いガラスが掛けてあり、ガラスの厚みの差による濃淡が、立体的な奥行きを感じさせます。
この円形メダイは、両面からプロング(爪)で挟まれ、視覚的に軽やかな透かし細工の外枠に留められています。外枠は一辺およそ 2センチメートルの正方形ですが、四隅は丸みを帯びて優しい印象です。植物の巻きひげ形のパーツには、アンティーク・ジュエリーの製作技法である「ミル打ち」まで施した丁寧な作りです。
外枠はブロンズ製で、手作業で制作されています。金めっきの一部が剥落して、真正のヴィンテージ品ならではの趣があります。メダイは全体的にたいへん良好なコンディションです。エマイユにも破損はありません。