高級品 デルミニー作 「福音を記録する聖ルカ」 銀無垢メダイ 直径 18.4 mm


突出部分を除く直径 18.4 mm  最大の厚さ 1.9 mm  重量 3.32 g

フランス  20世紀前半または中頃



 医師と画家、彫刻家の守護聖人、福音記者ルカを刻んだ稀少な銀無垢メダイ。重要性においても分量においても、新約聖書の大きな部分を占めるふたつの書物、「ルカによる福音書」と「使徒言行録」の記録者であるルカは、初代教会において重要な役割を果たした人物ですが、この聖人のメダイを目にすることはほとんどありません。





 本品は20世紀フランスの彫刻家デルミニー (Dermigny) の作品で、単純化された力強いフォルムにより、小ぶりのサイズながらも大きな存在感があります。材質は 800シルバー(純度800/1000のシルバー)で、2ミリメートル近い厚みと 3.3グラムの重量がある高級品です。

 聖書の記述及び古来の伝承によると、聖ルカはギリシア語に堪能なシリア出身の医師で、使徒パウロの伝道旅行に同行し、地中海世界を広く旅しました。絵の才能があり、最初の聖母子像を描いたといわれています。

 このメダイにおいて、聖ルカは秀(ひい)でた額を持つ知的な横顔を見せ、顔を少し下方に向けて著述をしています。メダイの下端に一端が見えるのは、執筆中の福音書、あるいは使徒行伝のパピルスでしょう。聖人の後方に浮き彫りにされた「翼のある牛」は、「エゼキエル書」1章 5節から 20節、ならびに「ヨハネの黙示録」4章 6節から8節に基づきます。この二箇所にはテトラモルフ(四つの生き物)、すなわち人間、ライオン、牛、鷲が登場します。リヨンの聖エイレナイオス (St. Eirenaeus Lugduni, c. 130 - 202) によると、「ルカによる福音書」が燔祭の記述から始まるゆえに、テトラモルフの犠牲獣「牛」はルカを表します。また聖ヒエロニムス (St. Eusebius Sophronius Hieronymus, c. 347 - 420) は、テトラモルフの生き物それぞれがキリストの生涯における重要な出来事を表すと考え、「人間」をキリストの受肉、「ライオン」を荒れ野での誘惑、「牛」を受難、「鷲」を昇天に対応させました。聖ヒエロニムスの解釈に従い、出来事が起こった順にテトラモルフを並べると、牛は三番目の位置を占めます。四人の福音記者を四つの生き物に対応させる教父たちの聖書解釈は、新約聖書のカノン(正典)が選ばれ、現在のように配列されるにあたって、強い影響を及ぼしたと考えることができます。

 メダイの向かって左側にフランス語で「ルカ」(リュック Luc)と書かれ、彫刻家デルミニーのサイン (DERMIGNY) が刻まれています。800シルバーを表すフランスのホールマーク(蟹)が、上部の環に刻印されています。





 メダイは摩耗等の問題がまったく無く、新品と言ってもよいコンディションです。銀の変色が気になる場合は、練り歯磨きをブラシに付けて軽くこすれば、簡単に綺麗になります。





11,800円 販売終了 SOLD

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