マリ=ベルナール修道士作 《ノートル=ダム・ド・ラ・コンフィアンス》 神を信頼する聖母の小聖画 116 x 77 mm


116 x 77 mm

リヨン、ルスキュイエ  1940年代頃



 フランス中央部、ディウ(Diou オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏アリエ県)のトラピスト会セット=フォン修道院にある有名な聖母像、「ノートル=ダム・ド・ラ・コンフィアンス」(Notre-Dame de la Confiance 信頼の聖母)の美麗な聖画。深い緑色のエリオグラヴュールによって明暗の諧調を美しく再現した聖画は、あたかも聖母の神秘的な幻視を体験させるかのような臨場感があります。

 本品の額装には、日本国内の額職人がチーク材で手作りしたフレームを使用しました。同種の額を数点作ってもらいましたが、個々の材の個性的形状を活かして額にしているため、どの額も一点ものとなっています。額の概寸は 24 x 19センチメートル、厚さ 2.5センチメートル前後で、チーク材特有の艶と重量があります。商品代金には聖画の価格、フレームの価格、ベルベット張りマットの価格、工賃、税がすべて含まれます。





 「ノートル=ダム・ド・ラ・コンフィアンス」像は、マリアが手を祈りの形に組み合わせようとする瞬間を写しています。この彫像において、マリアは微笑みを浮かべて天を仰ぎ、神と親しく対話しています。その表情はあくまでも優しく、神への愛と信頼に溢れています。

 球体の上に立つマリアの額には、星が輝いています。星が天上界を象徴するのに対して、球体は被造的世界を象徴します。したがって額に星を輝かせつつ地上に足を置くマリアは、天と地を繋ぐ恩寵の器であることがわかります。





 「ノートル=ダム・ド・ラ・コンフィアンス」という名称は、マリアが無条件的に神を信頼する信仰ゆえに、神はマリアの祈りを必ず聞き届け給うことを表しています。いままさに祈ろうとして手を組みかけているマリアの姿勢は、神がマリアの祈りを聞くまでもなくその内容を知っておられること、マリアが神の御意志のままに生きていることを表しています。「ノートル=ダム・ド・ラ・コンフィアンス」の作者であるマリ=ベルナール修道士は、この彫像について、次のように語っています。

    Elle va joindre les mains, ses doigts vont s'enlacer. Mais Dieu ne lui laisse pas le temps d'achever ce geste : il l'exauce dès qu'il la voit en intention de prier.    マリアは祈るために手を合わせ、指を組みかけている。マリアが祈りの姿勢を取り終わらないうちに、マリアが祈ろうとしているのを見るや否や、神はその願いを聞き入れ給う。



 星は天を象徴するとともに、救い主の象徴でもあります。マリアは受胎告知の際、救いを受け容れてイエスの母となることにより、すべての人に救いをもたらしました。球体上に立ちつつ、額に星を輝かせるマリアの姿は、地上にいながら不可視の摂理に信頼し、「御言葉通り、この身に成りますように」とガブリエルに答えた「信頼の聖母」の信仰を、一本の白百合を思わせる美しい彫像のうちに形象化しています。




(上) ほほえみの聖母像を制作するマリ=ベルナール修道士


 厳律シトー会のマリ=ベルナール修道士 (Fr. Marie-Bernard, 1883 - 1975)は、「ノートル=ダム・ド・ラ・コンフィアンス」像を制作した彫刻家です。マリ=ベルナール修道士はディウとソリニ=ラ=トラプの「ノートル=ダム・ド・ラ・コンフィアンス」の他、リジューの聖テレーズに関する作品群、聖ベルナデット像によっても知られています。


 本品は深い緑色のインクを使い、エリオグラヴュール (héliogravure) と呼ばれる技法で刷られています。エリオグラヴュールは本来の意味の「グラビア」です。現代の「グラビア」はほとんどがオフセット印刷で、近視の人が至近距離から裸眼で見ると網点が判別できますが、エリオグラヴュールは高精細、高品位の印刷技術で、網点は見えません。筆者(広川)は強度の近視で、普通の人には見えない微細なものが裸眼でよく見えますが、この小聖画の網点は二重瑕見(高倍率ルーペ)を使わないと判別できません。

 本品の聖画には版元名が記されていませんが、同時代の作例から、リヨンの印刷工房ルスキュイエ(Lescuyer)によるものと思われます。





 裏面にはフランス語で次の言葉がタイプされています。

  Vivre toujours en "Enfant de Dieu"... pour être toujours prêt....  常に「神の子」のうちに生きよ。そうすれば常に備えられる。

 イエス・キリストは罪びとを愛し、十字架上に刑死するという想像を絶する方法で救世を達成し給いました。このキリストと一体になり、キリストの内に歩むならば、われわれは世の終りにも、自分の人生の終りにも、その他のあらゆる事柄にも、常に備えることができる ― 聖画の裏の文字は、このように語っています。この言葉をタイプしたのは、修道士でしょうか。それとも信仰深い市井の人でしょうか。











 上の写真は別の額を使用した額装例です。こちらの額も高品質の木製棹を使用し、日本国内の職人が制作した特注品(一点もの)です。額のサイズは 19.2 x 15センチメートル、厚みは 4センチメートルです。いずれの額の商品写真も、反射を防ぐために透明アクリル板を外して撮影しています。なおいずれの額も一点ものであるため、聖画のご注文をいただいた時点で在庫していない可能性がございます。同じ額が無い場合は、同等レベルの額の中からお客様のお好みに合うものをご用意いたします。ご安心ください。

 上下の写真は男性店主が本品を手に取って撮影しています。本品の実物を女性がご覧になれば、この写真で見るよりも大きなサイズに感じられます。





 本品は1940年代頃のフランスで刷られた真正のヴィンテージ品ですが、特筆すべき問題は何もありません。二箇所の隅に小さな折れ目がありますが、元々目立たず、額にアクリル板またはガラス板を嵌めればさらに分かりにくくなります。補彩によって完全に消すこともできます。

 1930 - 40年代のエリオグラヴュールによる聖画は極めて高精細で、その解像度は現代の一般的美術印刷とは比べ物になりません。聖画は良質の中性紙に刷られているのでまったく劣化しておらず、酸性紙のような劣化は今後も起こりません。





13,800円  ※ 聖画、チーク材の額、マット、ベルベット、工賃、税すべて込み。分割払い可

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。別料金にて額装も承ります。




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