ノートル=ダム・ド・フルヴィエールのバシリカ 金色の聖母のガラス絵
フレームを含む全体のサイズ 24 x 19.5 cm (概寸)
ガラス絵のサイズ 15 x 11.5 cm (概寸)
フランス 1852年
ノートル=ダム・ド・フルヴィエール (Notre-Dame de Fourviere) の鐘楼上にある金色の聖母を描いたガラス絵。ノートル=ダム・ド・フルヴィエールはリヨンを一望するフルヴィエールの丘に立つバシリカで、1870年のリヨン・コミューンにおける社会主義的価値観に対してキリスト教が勝利をおさめた象徴として、1872年から1896年にかけて建設されました。
このガラス絵は 1852年12月8日、バシリカよりも先に鐘楼が建て替えられ、その頂上の聖母像が祝別された際に制作されたものです。聖母の背景にフルヴィエールの丘が描かれ、頂上に聖母像を置いた鐘楼も見えますが、現在その横に建っている壮麗なバシリカが描かれていません。バシリカ自体の建設が始まるのは鐘楼の完成よりも20年後の1872年ですので、このガラス絵が制作された1852年の時点では、バシリカはまだ出現していないのです。
鐘楼上の聖母は優雅なコントラポストの姿勢を取ってリヨンを祝福しています。聖母はヨハネの黙示録 12: 1に記述がある12の星の冠を頭上に戴き、球体の上に立って両手を広げ、祝福の姿勢を取っていますが、これは「無原罪の御宿り」(IMMACULATA CONCEPTIO) の典型的な表現であり、不思議のメダイやマリアの子ら信心会のメダイにおいて見られるのと共通の図像です。
聖母の足下の台座には、リヨンにあった工房ジラール社の銘 (J. Girard & Cie, Editeur a Lyon) が入っています。
この聖画は金属版エングレーヴィングによる聖母像をドーム状のガラスの内側に転写し、その裏側から手彩色を施すという19世紀に特有の技法で製作されています。この技法は次のような工程をたどります。
1. 紙に版画を刷る。
2. ガラスにテレピン油を塗布し、1.の版画の表(おもて)面をガラス側に向けて貼り付ける。
3. テレピン油が完全に乾くまで放置する。
4. テレピン油が完全に乾き、版画がガラスに固着したら、ガラスを版画ごと水にひたしてしばらく放置する。
5. ふやけた紙を丁寧にこすり落とすと、版画のインク部分だけがガラスに固着して残る。
6. ガラスを乾燥させた後、後ろから色を塗る。
下の写真は透過光により撮影したもので、空の部分に裏側から青のグラデーションを付けた際の筆遣いがよくわかります。
この聖画はわが国でいえば幕末以前の 1852年に制作された真正のアンティーク品で、絵具の剥落が数か所にあります。聖母の足下の向かって右側にあるのが最も大きい剥落ですが、特筆すべき瑕疵というほどでもなく、全体的にきわめて良好な保存状態です。ガラスと木製フレームも当時のオリジナルですが、ともに問題無いコンディションです。
本体価格 58,000円 販売終了 SOLD
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