ジャン・ラグランジュとエミール・ランドエの共作 知識と労働 種播く人 新古典主義のブロンズ製メダイユ


メダイユの直径 50.0 mm  厚さ 最大 5.4 mm  重量 63.4 g

1890年代頃  フランス



 フランス共和国農業省の依頼により、ジャン・ラグランジュ (Jean Lagrange, 1831 - 1908) と エミール・ランドエ (Edmond-Émile Lindauer, 1869 - 1942) が制作したメダイユ。表(おもて)面は円熟したヴェテランであるラグランジュ、裏面は若手のランドエと、両面の作者が異なりますが、古代ギリシアを髣髴させるデザインは、両面を通じ見事な統一性を見せています。





 表(おもて)面は種をまく人を手前に、牛に犂を牽かせる人を奥に配し、さらに遠景に風車を置いて、広々とした大地を表現しています。

 フランスはヨーロッパ最大の農業国であり、現在でも国土の三分の一以上が農地で占められています。このメダイユは豊かな穀倉地帯、農業地帯であるフランスの大地の広がりを、直径5センチメートルの空間に巧みに表すとともに、ヨーロッパ絵画の伝統にしたがって地面の描写を画面の下方に限定し、背景の半分以上を空とすることで、農地と干し草の匂いがする田舎の空気のさわやかさをも感じさせます。


 画面後方で牛が牽いているのは重量有輪犂ですし、遠景には風車も見えていますから、これは紛れもなく近現代の光景ですが、手前で種をまく人は裸足で、ギリシア風のトゥニカを着ており、顔立ちや髪型も古代ギリシア彫刻を思わせます。

 この面を制作したラグランジュは、裏面のランドエとともに、フランス共和国の貨幣彫刻家です。国家の貨幣を製作するという大役を担う彫刻家であることを考えれば、伝統の上に立って抑制をきかせた新古典主義的な作風にも納得がゆきます。種を播く人の足下に、ジャン・ラグランジュの名前 (J. LAGRANGE) が記されています。





 メダイユの裏面は農作物が溢れる籠(かご)をギリシア風の台に載せ、台にはフランス語で次の言葉を記しています。

  ASSOCIATIONS AGRICOLES  農業組合

  SCIENCE LABEUR  知識、労働


 台の右下には彫刻家エミール・ランドエの名前 (E. LANDAUER) が記されています。メダイユの周囲にはフランス語で「フランス共和国」(REPUBLIQUE FRANÇAISE)、「農業省」(MINISTERE DE L'AGRICULTURE) と書かれています。





 このメダイユは新古典主義的なデザインを両面に採用しており、いかにもこの時代のフランス共和国政府にふさわしい作品、歴史を証言するアンティーク工芸品といえます。メダイユのコンディションは非常に良好で、百数十年前のものとはにわかに信じ難いほどです。表裏いずれの突出部分にも摩耗は無く、製作当時のままの状態で、真正のアンティーク品ならではのパティナ(古色)が全体を均一に被っています。ご希望により、別料金にてメダイユを額装いたします。額装料金は使用する額によって異なります。





メダイユの価格 38,000円 (税込・額装別)

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。



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