J. アルロー作 守護天使サン・ミシェル 幼い子供のためのメダイユ 1988年


直径 68.5 mm  最大の厚さ 11.7 mm  重量 267.7 g

フランス  1988年



 幼い子供たちの健やかな成長を願って制作された美しいメダイユ。直径 68.5ミリメートル、最大の厚さ 11.7ミリメートル、重量 267.7グラムと立派なサイズの作品です。





 一方の面には、ぬいぐるみを抱いて眠る幼子の横顔が、立体的な浮き彫りによって表現されています。メダイユの下部、幼子の脇腹のあたりに、メダイユ彫刻家 J. アルローのサイン (J. ARLAUD) があります。

 ひと口にフランスのメダイユといってもその作風は様々で、薄絹をまとった女性を浮き彫りにした繊細な作品もあれば、マッス(masse かたまり)による大胆な造形の作品もあります。本品を制作したメダイユ彫刻家アルローは、子供の丸々とした頬と腕と手を、やはり丸々としたぬいぐるみの熊と取り合わせることにより、幼子が持つ溢れるような生命力を強調的に表すことに成功しています。ベッドに眠る幼子とぬいぐるみを包むシーツと掛布も細部が省略され、力強いマッスとして表現されています。





 もう一方の面には、二人の子供が仲良く手を繋いで波打ち際に立ち、城のような建物を望む様子が浮き彫りにされています。建物は沖合に見えており、北フランス、サン=マロ湾に浮かぶ大天使ミカエルの聖地、モン=サン=ミシェルを連想させます。本品に刻まれた建物がモン=サン=ミシェルを模(かたど)るとすれば、天の全軍の将である大天使ミカエルが子供たちの守護聖人となって、姿を見せずに子供たちを見守る様子を表していると解釈できます。海の向こうから輝く光は神の愛を可視化して、子供たちを包み守っています。

 子供たちの足下、メダイユの縁付近に、J. アルローのサイン (J. ARLAUD) があります。





 メダイユの縁には「グレゴワール」という男の子の名前と、1987年2月22日の日付が刻印されています。





 縁の別の箇所には「コルヌ・コーピアエ」(CORNU COPIAE 豊穣の角)の刻印と「ブロンズ」の文字、及び 1988年の年号があります。グレゴワール少年の名前に添えられた日付はこれよりも前の「1987年2月22日」ですが、これは矛盾ではなくて、1988年に制作されたメダイユに、1987年の日付を刻印したということでしょう。





 本品は写真で見ると艶が無いように見えますが、実物には十分な金属光沢があり、たいへん美しい作品です。対象を力強いマッス(塊)で捉えた立体的な作風は、子供にみなぎる生命力をよく表しています。保存状態も良好です。





39,000円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。



J. アルローによるメダイユ 商品種別表示インデックスに戻る

メダイユ 一覧表示インデックスに戻る


フランスのメダイユ 商品種別表示インデックスに戻る

美術品と工芸品 商品種別表示インデックスに移動する



アンティークアナスタシア ウェブサイトのトップページに移動する